最近融資絡みで質問の多い「つなぎ融資」について簡単な説明をしたいと思います。
まず、つなぎ融資とは何か?
簡単に言えばお客様の代わりに銀行が立替えてくれるお金のことです。
新築住宅をご計画される場合、購入資金の支払いは段階的に発生することが多く、
①契約金・着手金
②上棟金
③最終金
と建築費を1/3ずつに分けられます。
例えば住宅購入資金を住宅ローンでお考えの方であれば、いきなり「契約金・着手金で建築費の1/3を払ってください」と言われても、支払いできませんよね。
このタイミングで住宅ローンを組んで支払うことも可能ですが、住宅ローンを組んでしまうと住宅ローンの返済が始まってしまいます。
まだ家も完成しておらず現在の住まいの家賃もあるのに、住宅ローンの返済が始まるのはとても大変ですよね。
そこで、その支払いをつなぎ融資でカバーします。
先ほど説明した通り、つなぎ融資は銀行の立替え払いのことですので、住宅ローンを組まずに必要な建築費の1/3を銀行が立替えてくれます。
ですから、この時点で住宅ローンの返済は開始しません。
もう少し分かりやすく、今度は実際の数字で見ていきます。
建築費が3000万円だったとします。
①契約金・着手金 → 1000万円
②上棟金 → 1000万円
③最終金 → 1000万円
と決められた場合、①で必要な1000万円と②で必要な1000万円はつなぎ融資で支払いを行います。
そうすることで、住宅ローンの返済は開始されませんので、現在の家賃と住宅ローンの2重返済にはなりません。
③の最終金の時には家も完成していますので、このタイミングで住宅ローン3000万円を組み、先に①、②で立替えてもらった2000万円は銀行にお返しし、③の1000万円は住宅会社に支払うような形となります。
このようにつなぎ融資は、必要なお金を、必要な分だけ、必要なタイミングで支払ってもらえるとても便利なものですが、いくつかデメリットもあります。
まず、つなぎ融資の利息や保証料がかかるということ。
つなぎ融資は住宅ローンとは全く別の融資となります。つなぎ融資の金額や利用している期間により利息や保証料などがかかってきます。
これは住宅ローンの利息とは別で支払わなければなりません。
また、利用のたびに金融機関にて手続きを行わなければなりません。例えば上の例では①、②のタイミングでつなぎ融資を利用するとなってますので、①、②それぞれでつなぎ融資の手続きが必要になります。(金融機関によっては書類提出だけで済むところもあります)
更に、金融機関によってはつなぎ融資利用の間は「団信」が効かないということがあります。
まとめると
メリット
①住宅会社への支払いが無理せずできる
②住宅ローンの返済が始まらない
デメリット
①利息などの余分な費用が発生する
②利用のたびに面倒な手続きが必要
③団信が効かないことがある
ローンの返済と家賃の2重払いが可能なほど、毎月の生活費に余裕がある方はつなぎ融資を利用する必要はないと思います。
一般的な話になると非常に多くの方が利用されていますが、安易に考えずメリットデメリットはきちんと理解してご利用ください。